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2004年10月

2.婦人防火クラブ活動への理解

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婦⼈防⽕クラブ活動への理解
総務省消防庁 防災課

平成15年中に発⽣した⽕災のうち57.8%が建物⽕災であり、⽕災による総死者数の66.5%、負傷者については86.5%が建物⽕災によるものでした。消防庁としても、これらの⽕災をなくすことが急務とされています。

平成15年の出⽕件数

⽕災種別建物⽕災林野⽕災⾞両⽕災船舶⽕災航空機⽕災その他
発⽣件数32,5341,8107,366136314,48456,333
構成(%) 57.8%3.2%13.1%0.2%0.0%25.7%100.0%

出典︓平成15年(1⽉〜12⽉)における⽕災の状況

⽕災予防は、法令の整備や消防防災機関の指導だけでなく、住⺠の協⼒が得られてはじめてその目的を達成することができます。また、家庭においては、防⽕という⾯からみた場合、常⽇頃から⽕気使⽤設備器具を扱う機会が多い 主婦等の果たす役割が⼤きいといえます。

婦⼈防⽕クラブは、そのような家庭の主婦などを中⼼に組織されており、近年組織数、隊員数とも減少傾向にはありますが、全国各地に1万4,625団体が結成され、約227万⼈のクラブ員が活動しています(平成15年4⽉1⽇現在)。これら婦⼈防⽕クラブの第⼀義的なねらいとしては、⼀般的には家庭防⽕のための活動が挙げられますが、実際の活動については各クラブによって様々なものがあります。

平常時の活動としては、例えば講習会や研修会、消防・防災施設の⾒学会や防災訓練など⽕災予防に必要な知識や技術を習得するための活動や、住宅の防⽕診断や防⽕指導、各種イベントや広報媒体を利⽤した防⽕啓発活動など⽇常的に実践可能な活動が挙げられます。

また、実際の災害時に婦⼈防⽕クラブに期待される役割としては、発災直後においてはバケツや消⽕器を使った初期消⽕活動、時間経過後には炊出しなどによる消防職団員の後⽅⽀援、⺠⽣委員や介護福祉⼠などと連携しての災害時要援護者の安否確認や避難誘導などです。

⼤規模災害時には、「阪神・淡路⼤震災」の例からも明らかなように、情報連絡網や道路等ライフラインの寸断により、帰宅困難者の発⽣や消防・防災機関の活動に⽀障をきたすことが予想されます。そのため被災直後には、地域の被害を最⼩限に抑えるため、主婦等の⼥性の⽅々にも積極的に災害対応に当たっていただく必要があります。「⾃分たちの地域は⾃分たちで守る」という固い信念と強い連帯意識の下に、⽕災や災害に強い安全なまちづくりに向け、より多くの⼥性の⽅々に、防⽕・防災の重要性を認識していただき、婦⼈防⽕クラブ活動へ積極的に参加していただきたいものです。

また、既存の婦⼈防⽕クラブについては、単独での活動にとどまらず、防災訓練や救命救急講習会など様々な活動を通じ地元消防団やNPO、⽇⾚等との連携を積極的に進めるなど、活動の活性化に努めていただき、消防庁としても、防災まちづくり⼤賞の表彰等を通じ、これら婦⼈防⽕クラブの育成強化の⽀援に努めていきたいと考えています。

(消防庁機関紙「消防の動き/平成16年10⽉号・No.403」より転載)


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