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2022年1月

2.令和4年新年のご挨拶(内藤 消防庁長官)

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内藤 消防庁長官
年頭の辞

 令和4年の新春を迎えるに当たり、全国の消防関係者の皆様に謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。皆様方には、平素から消防防災活動や消防関係業務などに御尽力いただいており、心から敬意を表し、深く感謝申し上げます。
 また、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、消防職団員の皆様には、災害対応の最前線で御尽力をいただき、重ねて感謝申し上げます。

 昨年は、7月3日に発生した静岡県熱海市での大規模な土石流災害及び8月11日からの大雨による災害に見舞われ、また12月には大阪市でビル火災が発生した事などにより、多くの方々が犠牲になりました。
 お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 災害現場においては、被災地の消防本部や地元消防団はもとより、被災状況により県内消防応援隊や緊急消防援助隊も総力を挙げて最前線での活動等に当たっていただき、多くの人命を救助していただきました。改めて皆さんの御活躍・御尽力に敬意を表しますとともに、心から御礼申し上げます。

 大規模化、複雑・多様化そして頻発化している災害に適切に対応するためには、その時々の災害対応を教訓として速やかに次に備えることが求められます。そのため、消防庁では、熱海土石流災害を踏まえて被害規模の早期把握と迅速な人命救助のための必要な手順確立とハイスペックドローンや小型救助車をはじめとする資機材の整備に取り組みます。あわせて、緊急消防援助隊の車両資機材の充実強化に取り組むとともに、地域防災力の中核となる消防団及び自主防災組織等の更なる充実強化に取り組みます。とりわけ、団員減少が危機的な状況にある消防団については、団員の出動報酬など処遇の改善を図るとともに、各市町村が処遇改善を進めるうえで必要な財政措置を講じてまいります。

 また、災害時における地方公共団体からの被害情報収集を迅速化・効率化するためのシステム構築や消防指令システムの高度化などにより、消防防災分野のデジタル・トランスフォーメーションを推進するとともに、震度情報ネットワークシステムの機能強化など災害に強い防災情報基盤の整備に取り組みます。

 さらに、救急隊員の感染防止対策や必要な救急資器材の確保を推進するとともに、救急搬送体制の充実強化を図ります。併せて、電話で救急相談サービスを提供する「♯7119」や聴覚・言語機能障害をお持ちの方が音声によらずに119番通報を行える「Net119」の全国展開、「救急ボイストラ」の活用も促進してまいります。

 加えて、火災予防対策の推進、消防防災分野における女性の活躍促進、地方公共団体の危機対応能力の強化など、消防防災行政の一層の推進に取り組んでまいります。

 皆様方におかれましては、国民が安心して暮らせる安全な地域づくりとそれを支える我が国の消防防災・危機管理体制の更なる発展のため、より一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、皆様の益々の御健勝と御発展を祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

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