HOME  > 防火ネットニュース12月号  > 5.自主防災組織リーダー研修会の開催(鳥取県・山形県)

2008年12月

5.自主防災組織リーダー研修会の開催(鳥取県・山形県)

目次 次頁次頁

鳥取県防災局

 鳥取県では、「平成20年度自主防災組織リーダー研修会」を財団法人日本防火協会、鳥取県及び鳥取市との共催により10月25日(土)、26日(日)の2日間の日程で開催しました。この研修会は、地域の防災活動指導者として、防災に関する知識を修得し、地域の防災活動の活性化を推進するとともに、参加者同士の関係を築き、今後情報交換などの協力・連携関係の構築を図るために開催し、82名(延べ人数)が参加しました。
 自主防災組織は災害時のみならず平時においても、地域の安全安心を確保し、地域の防災力を向上させる役割を担っており、地域コミュニティの基礎としての側面でも期待を集めています。


講義の様子
講義の様子
 1日目は、財団法人日本防火協会 水村課長補佐及び鳥取県法橋防災監の挨拶をいただいた後、放送大学鳥取学習センター 西田所長を講師に招き、「地震災害対策」と題した講演から研修が始まりました。
 西田所長には、地震の仕組み、鳥取大地震や鳥取県西部地震、また、地震に対する家庭や地域で行う日ごろの備えについてわかりやすくご紹介いただき、参加者は熱心に聞いていました。


図上訓練(DIG)
 午後からは、鳥取市 田中危機管理課長による鳥取市の災害時要援護者の取組みを発表していただいた後、三重大学大学院工学研究科災害対策プロジェクト室 川口准教授を講師にお招きし、「地域で進める災害時要援護者対策」と題した講演をいただきました。三重を取り巻く現状や三重県の自主防災組織が取り組んでいる状況をご紹介いただき、川口准教授の助言等により地域全体で行った防災活動の事例等、記録写真を交えながら語っていただいたお話は、参加者にとって、地域の防災力を高めるには何が大切かなど、今後の防災を考えていくうえで非常に参考になるものでした。

図上訓練(DIG)の検討結果発表
 2日目は、鳥取県健康政策課 石田参事による「新型インフルエンザについて」をご講演いただき、参加者は、新型インフルエンザは身近に起こりうる脅威の一つとして備えの必要性を実感しました。その後、鳥取大学工学部 檜谷教授を講師にお招きし、「豪雨災害と防災対策」と題し、過去の水害事例、ハザードマップや気象情報等防災情報の活用についてお話いただき、参加者は興味をもって聞いていました。

図上訓練(DIG)
 午後は8班に分かれ、鳥取県危機管理チーム訓練担当及び鳥取市危機管理課職員等をファシリテーターとして図上訓練(DIG)の方法を学びました。前半は鳥取市内の地図を用いて、その地域の風水害や土砂災害、また、その対策について班ごとに検討し、後半は検討結果を発表してもらいました。図上訓練(DIG)においては、参加者のみならず、ファシリテーターとなった県や市の職員においても今後防災活動を指導する参考となる内容となりました。
 最後に、修了証が財団法人日本防火協会 佐藤主幹から代表者に手渡された後、同氏より今回の研修を終えての講評をいただき、鳥取市 田中危機管理課長による挨拶により2日間の研修を終えました。
今回の研修後に行ったアンケート結果では、受講者の97%(回答数 61)が「大変役に立った」「ある程度役に立った」と回答しており、より多くの県民に自主防災に対する関心を持っていただけと考えております。また、研修に参加された皆さんには、研修会で学んでいただいたことを今後のそれぞれの地域の自主防災活動に活かしていただき、地域防災力の向上に取り組んでいただくことを期待しています。

このページの上に戻る

山形県総務部危機管理室

 山形県では、10月30日(木)、31日(金)の2日間、山形市の「山形県村山総合支庁」において「平成20年度山形県自主防災リーダー研修会」を開催しました。
 この研修会は、自主防災組織の指導的立場にある者等を対象に、高度な知識、技能を習得させるとともに、その役割についての自覚を高め、地域における自主防災組織活性化のために活躍できる人材を育成することを目的に、財団法人日本防火協会と山形県の共催で開催したもので、県内各地から43名が参加しました。

開講の挨拶をする佐藤総合防災課長
 30日(1日目)の午前中は「開講式・オリエンテーション」、座学(「山形県の災害対策」、「自主防災組織の役割」)及び「グループ討議」、午後は「救命講習」が行われました。
 はじめに、「開講式」では、山形県総務部危機管理室の佐藤和雄総合防災課長からあいさつをいただきました。
 「山形県の災害対策」では、県危機管理室総合防災課の日塔防災主査が県内で発生した主な災害、4つの主要断層帯による被害想定、大規模地震に対する県の対策、命を守るポイント、防災情報の入手方法などを紹介しました。
 「自主防災組織の役割」では、県危機管理室総合防災課の吉田防災主査が住民、市町村、県などの役割を説明しながら、自主防災組織が災害時に備え日頃から行うべき活動などについて実例を交えて紹介しました。

AEDを使用して心肺蘇生法の実技
 「グループ討議」では、4班に分かれ「自主防災活動の課題と活性化」をテーマに各地域の現状、課題、解決策などを活動事例も交えて議論しました。
グループによっては、休憩時間も活用し議論と交流を深めました。
 「救命講習」では、山形市消防本部消防署東出張所の多田主任と梶沼消防士から心肺蘇生法、AEDの使用法、気道異物の除去、止血法についての指導を受けました。
参加者全員が実技を行い、万が一に備え真剣に取り組んでいただきました。
31日(2日目)の午前中は座学(「住宅の耐震化」)及び「グループ討議・発表」、午後は「図上訓練(DIG)」及び「閉講式」が行われました。
 「住宅の耐震化」では、県土木部建築住宅課の外塚建築専門員が住宅の耐震性確保の重要性、耐震改修工事の実例、家具の転倒防止策、県・市町村の支援制度などを紹介しました。
 「グループ討議・発表」では、昨日から引き続いて討議を行い、その後班ごとに討議結果を発表しました。
 近隣世帯との日頃からの交流、地域行事における防災の話題提供、防災マップの作成・活用、防災訓練の継続実施など、自主防災活動を活性化させるための解決策が多く発表され、今後の活動に向け大きな収穫がありました。

図上訓練(DIG)
 「図上訓練(DIG)」では、富士常葉大学環境防災学部の小村隆史准教授による演習が行われました。
① 「あなたは幾つ、読みとれますか?」として、ミニDIGセットを用いて地図から危険を読みとるセンスを試し、自主防災リーダーの役割をチェックしました。
② 「確認しましょう、昔の地形、昔の山形」として、国土地理院から入手した昔の地図を用いて土地利用の適否を確認しました。
③ 「地元で皆さんに期待される役割は?」として、地域密着型DIGの方法論を学びました。
 特に、新旧地図の比較では、小村准教授の「土地利用が正しければ大きな被害はでないはず」との指摘に、自宅の位置を確認し胸をなでおろす参加者もいました。
 最後に、「閉講式」では、(財)日本防火協会の水村昇課長補佐から修了証の授与及び記念品の贈呈、閉講のあいさつをいただき、2日間にわたる研修会は終了いたしました。
 今回の研修会では、参加者からの質問が多く出されたほか、グループ討議でも建設的な発言が目立ち、防災意識の高まりが感じられました。
 これを機会に、自主防災活動の活性化による地域防災力の向上が図られることを期待しております。
 また、参加者のアンケート結果をみてみますと、受講者の84%が大変有意義であったと回答しており、これからも継続して研修会を開催し、より多くの県民に自主防災に対する関心を持っていただくとともに、地域での活躍が期待できる防災リーダーを養成していきたいと考えております。

このページの上に戻る
目次