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2013年8月

1.老朽化した消火器による事故が発生しています

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老朽化した消火器の廃棄処分時の破裂による負傷事故について

総務省消防庁 予防課

 去る6月20日、宮城県仙台市において、家庭で消火器(加圧式・昭和58年製)を廃棄する際に消火剤粉末を放出させようと操作したところ、消火器が破裂して操作者(70代男性)が負傷(軽症)した事案が発生しました。
 また、7月8日には、岡山県倉敷市において、産業廃棄物処理事業者が、事業用の消火器(加圧式・昭和50年製)を廃棄する際に消火剤粉末を放出させようと操作したところ、消火器が破裂して操作者(60代男性)が負傷(重症)した事案が発生しました。
 これらの事案は、消火器が老朽化していたために、操作時に内圧が高くなった際に底面が抜けて容器が跳ね上がり操作者を負傷させたと推測されます(参考)。

 屋外に放置されるなどにより外面に腐食の見られる消火器については、中の消火剤粉末の放出等を行おうとしてレバーを操作すると大変危険ですので、決して操作しないようにしてください。
 消火器の廃棄処分については、(株)消火器リサイクル推進センター(03-5829-6773)において回収・リサイクル窓口を設置しているので、ご活用をおすすめしています。

 消防庁としては、本件について、消費者庁とも情報を共有した上で、全国の消防機関に対し、一般家庭や事業所に対して周知するよう依頼するとともに、環境省を通じて廃棄物処理事業者への周知を依頼したところです。今後、各消防本部や婦人(女性)防火クラブ等の協力を得ながら、秋の全国火災予防運動などを通じ、老朽化した消火器の回収が促進されるよう働きかけを行ってまいります。

 消火器(加圧式)の破裂事故は、最近5年間(平成21年度以降、本件発生前まで)においても9件が発生しており、そのうち1件は死亡事故となっています(各事案の概要は下表のとおり)。

H21.9.15大阪府大阪市屋外駐車場に置かれていた消火器(H1 製)を操作した際に消火器が破裂し、子どもが負傷(10代男性)
H21.9.16福岡県行橋市納屋に置かれていた消火器(S43 製)の廃棄処理中に誤って消火器が操作されて破裂し、負傷(60代男性)
H21.9.30愛知県一宮市消火器(製造年不明)の廃棄処理中に誤って消火器が操作されて破裂し、負傷(年齢不明男性)
H21.10.11千葉県船橋市屋外にある消火器(S56 製)の移動中に誤って消火器が操作されて破裂し、負傷(70代男性)
H22.2.27滋賀県栗東市消火器(製造年不明)の廃棄処理中にレバーを握ったところ、消火器が破裂し、負傷(50代男性)
H23.7.22徳島県那賀町住宅解体工事中に放置されていた消火器(S48 製)を移動する際に誤ってレバーを握って消火器が破裂し、負傷(20代男性)
H23.7.25鹿児島県霧島市屋外にある消火器(H2 製)を片付けている際に誤って消火器が操作されて破裂し、負傷(70代男性)
H23.8.2栃木県佐野市住宅解体工事中に放置されていた消火器(S57 製)の消火剤の放出操作をして消火器が破裂し、負傷(60代男性)
H23.9.11大分県宇佐市廃棄物処理業者が消火器(製造年不明)を廃棄処理中に誤って消火器が操作されて破裂し、死亡(60代男性)
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