HOME  > 防火ネットニュース7月号  > 2.平成16年(1~3月)における火災の概要(概数)

2004年7月

2.平成16年(1~3月)における火災の概要(概数)

目次 次頁次頁
栄えある受賞

1 総出⽕件数は対前年⽐1,316件の増加

平成16年(1〜3⽉)における総出⽕件数は18,559件であり、 前年と⽐べると、1,316件の増加(7.6%)となっています。

これは、おおよそ1⽇あたり206件、7分に1件の⽕災が発⽣したことになります。

⽕災種別ごと前年⽐較をみると、建物⽕災9,608件(53件の増・+0.6%)、林野⽕災1,244件(422件の増・+51.3%)、⾞両⽕災1,755件(107件の減・-5.7%)、船舶⽕災27件(3件の増・+12.5%)、航空機⽕災3件(2件の増・+200%)、その他⽕災5,922件(943件の増・+18.9%)となっています。林野⽕災は前年同期と⽐べると、⼤幅に増加しています。

2 ⽕災による死者は127⼈、負傷者は27⼈のそれぞれ減少

⽕災による死者は731⼈で、前年同期に⽐べると127⼈の減少(-14.8%)となっています。

⽕災種別ごとに前年⽐較をみると、建物⽕災561⼈(27⼈の減・-4.5%)、林野⽕災5⼈(6⼈の減・-54.5%)、⾞両⽕災61⼈(56⼈の減・-47.9%)、船舶⽕災0⼈(増減なし)、航空機⽕災0⼈(増減なし)、その他⽕災104⼈(38⼈の減・-26.8%)の死者が発⽣しており、全体的に死者が減少しています。

⽕災による負傷者は2,564⼈であり、前年と⽐べると27⼈の減少(-1.0%)となっています。

⽕災種別ごとにみると、建物⽕災2,178⼈、林野⽕災64⼈、⾞両⽕災98⼈、船舶⽕災4⼈、航空機⽕災0⼈、その他⽕災220⼈の負傷者が発⽣しています。

また、放⽕⾃殺者は、前年同期より73⼈少ない206⼈となっています。

3 住宅⽕災による死者(放⽕⾃殺者等を除く)は399⼈で、昨年に続き、依然、年間1,000⼈に迫るペース

建物⽕災における死者(放⽕⾃殺者等を除く)は、460⼈ですが、このうち住宅(⼀般住宅、共同住宅及び併⽤住宅)⽕災における死者は、399⼈であり、前年と⽐べると42⼈の減少(-9.5%)ですが、依然、年間1,000⼈に迫るペースとなっております。

また、建物⽕災の死者に占める住宅⽕災の死者の割合は、89.7%で、出⽕件数の割合58.5%と⽐較して非常に⾼いものとなっています。

4 住宅防⽕による死者(放⽕⾃殺者を除く)の60%が⾼齢者

住宅⽕災による死者399⼈のうち、240⼈(60.2%)が65歳以上の⾼齢者です。

また、住宅⽕災における死者の発⽣した経路別死者数の前年⽐較は、逃げ遅れ247⼈(61⼈の減・-19.8%)、出⽕後再進⼊11⼈(3⼈の減・-21.4%)、着⾐着⽕24⼈(2⼈の減・-7.7%)、その他117⼈(24⼈の増・+25.8%)となっています。

5 出⽕原因の第1位は「放⽕」、続いて「たばこ」

全⽕災18,559件を出⽕原因別にみると、「放⽕」2,387件(12.9%)、「たばこ」1,979件(10.7%)、「放⽕の疑い」1,790件(9.6%)、「こんろ」1,468件(7.9%)、「たき⽕」1,465件(7.9%)の順となっています。また「放⽕」及び「放⽕の疑い」を合わせると、4,177件(22.5%)となっています。

なお、前年同期は、「放⽕」2,304件(13.4%)、「たばこ」1,775件(10.3%)、「放⽕の疑い」1,585件(9.2%)、「こんろ」1,467件(8.5%)、「たき⽕」1,180件(6.8%)の順となっています。

「放⽕」及び「放⽕の疑い」を合わせた件数(4,177件)を都道府県別にみますと、東京都(772件)、神奈川県(346件)、愛知県(345件)、埼⽟県(338件)、⼤阪府(306件)の順となっており、上位5都道府県で全体の50.4%を占めています。

⽕災種別ごとにみると建物⽕災9,608件にあっては、「こんろ」1,432件(14.9%)、「放⽕」1,083件(11.3%)、「たばこ」960件(10.0%)、「ストーブ」917件(9.5%)、「放⽕の疑い」638件(6.6%)の順となっています。

林野⽕災1,244件では、「たき⽕」338件(27.2%)、「たばこ」160件(12.9%)、「⽕⼊れ」140件(11.3%)、「放⽕の疑い」151件(12.1%)、「⽕あそび」55件(4.4%)の順となっています。

⾞両⽕災1.755件では、「放⽕」266件(15.2%)、「排気管」169件(9.6%)、「放⽕の疑い」161件(9.2%)、「衝突の⽕花」77件(4.4%)、「内熱機関」66件(3.8%)の順となっています。

その他⽕災5,922件では、「放⽕」990件(16.7%)、「たき⽕」888件(15.0%)、「放⽕の疑い」835件(14.1%)、「たばこ」770件(13.0%)、「⽕あそび」468件(7.9%)の順となっています。

6 消防庁の対策について
(1) 住宅防⽕対策への取り組み

住宅⽕災における放⽕⾃殺者等を除く死者数(概数)は、1,070⼈(78⼈増)と昭和61年以来の1,000⼈超となりました。このうち65歳以上の⾼齢者は610⼈(85⼈増)であり6割弱を占めています。

消防庁では、⾼齢社会の進展に伴う⾼齢者の被害を軽減するため、平成3年から住宅防⽕対策推進協議会を中⼼として住宅⽤⽕災警報器等の普及など住宅防⽕対策を積極的に推進してきましたが、近年の死者の急増はキャンペーン中⼼の対策には限界があることが指摘されていました。

これに対応するため、平成15年12⽉24⽇の消防審議会における、⼀般住宅に住宅⽤⽕災警報器等の設置を義務づけること等を内容とする答申を踏まえ、「消防法及び⽯油コンビナート等災害防⽌法の⼀部を改正する法律案」を第159回国会に提出しました。

同法案は衆・参両院とも全会⼀致で可決され、平成16年6⽉2⽇に公布されており、今後、住宅に住宅⽤防災機器(政令で住宅⽤⽕災警報器を定める予定)の設置が義務づけられることとなります。

消防庁では改正消防法の施⾏に向け、地⽅公共団体とともに、国⺠への住宅⽤⽕災警報器等の普及・啓発促進を図っていきます。

(2) 放⽕対策への取り組み

放⽕及び放⽕の疑いによる⽕災は4,177件で、全⽕災の22.5%を占めています。

消防庁では、平成12年に「放⽕⽕災予防対策マニュアル」を作成し、全国の消防機関に配布するとともに、平成14年度から学識経験者、消防機関、関係⾏政機関等からなる検討会を開催し、放⽕・連続放⽕に対する具体的な対策とその進め⽅などについて、検討を進めています。

放⽕⽕災を防ぐためには、⼀⼈ひとりが放⽕対策を⼼がけるだけではなく、地域全体として放⽕されない環境を作ることが重要です。

特に連続放⽕の発⽣地域においては、可燃物を放置しない、夜間にゴミを出さない、門灯を終夜点灯するなどの基本的な対策及び関係⾏政機関と地域住⺠が協⼒して、街灯の増設、炎センサー、対⼈センサーと連動した照明や監視カメラの設置などの対策を推進するなど、地域全体による、より⼀層の警戒態勢を構築することが必要です。

現在、地域が⾏う取り組みについて地域の現状分析と評価及びその対応策を総合的に⾏うことができるような仕組みについて検討を進めています。

平成15年における⽕災の概要(概要)
1.全国の概況
(1) 出⽕件数

平成16年(1⽉〜3⽉)における出⽕件数は18,559件で、これはおおよそ1⽇あたり206件、7分に1件の⽕災が発⽣したことになります。

これを⽕災種別ごとにみますと、次表のとおりです。

種別件数構成⽐(%) 前年⽐較増減数(%)
建物⽕災9,60851.8%530.6%
⾞両⽕災1,7559.5%-107-5.7%
林野⽕災1,2446.7%42251.3%
船舶⽕災270.1%312.5%
航空機⽕災30.0%2200.0%
その他⽕災5,92231.9%94318.9%
総出⽕件数18,559100.0%-1,3167.6%

(2) 死傷者数
平成16年(1⽉〜3⽉)における死傷者数は、次表のとおりです。

⼈数前年⽐較1⽇あたり発⽣割合
死者数731-127-14.8%8.1⼈⽕災25.4件に1⼈
負傷者数2,564-27-1.0%28.5⼈⽕災7.2件に1⼈

2.建物⽤途ごとの死者発⽣状況
建物⽕災9,608件を建物⽤途別にみますと、次表のとおりです。

⽤途別件数構成⽐
住宅3,81439.7%
共同住宅1,47515.4%
複合⽤途(特定)6516.8%
⼯場5335.5%
併⽤住宅3353.5%
複合⽤途(非特定) 3673.8%
倉庫2002.1%
事務所2242.3%
飲⾷店1751.8%
物品販売店舗1281.3%
学校890.9%
神社・寺院410.4%
旅館540.6%
病院430.4%
社会福祉施設350.4%
遊技場340.4%
駐⾞場270.3%
その他の⽤途の建物⽕災1,38314.4%
9,608100.0%

3.出⽕原因ごとの⽕災発⽣状況
(1) 全⽕災
全⽕災18,559件を出⽕原因別にみますと、次表のとおりです。

原因別件数構成⽐
放⽕2,38712.9%
たばこ1,97910.7%
放⽕の疑い1,7909.6%
こんろ1,4687.9%
たき⽕1,4657.9%
ストーブ9324.1%
⽕あそび7595.0%
⽕⼊れ5352.9%
電灯・電話等の配線4212.3%
配線器具2961.6%
マッチ・ライター2951.6%
排気管1881.0%
電気機器2011.1%
焼却炉2231.2%
溶接機・切断機1801.0%
灯⽕1891.0%
風呂かまど1560.8%
その他2,89515.6%
不明・調査中2,20011.9%
18,559100.0%

(2) 建物⽕災
建物⽕災9,608件を出⽕原因別にみますと、次表のとおりです。

原因別件数構成⽐
こんろ1,43214.9%
放⽕1,08311.3%
たばこ96010.0%
ストーブ9179.5%
放⽕の疑い6386.6%
電灯・電話等の配線3663.8%
配線器具2552.7%
⽕あそび2292.4%
たき⽕2122.2%
マッチ・ライター1351.4%
灯⽕1781.9%
風呂かまど1531.6%
電気機器1601.7%
煙突・煙道981.0%
溶接機・切断機910.9%
取灰770.8%
電気装置740.8%
焼却炉750.8%
こたつ510.5%
ボイラー370.4%
⽕⼊れ470.5%
250.3%
かまど210.2%
その他1,08911.9%
不明・調査中1,20512.5%
9,608100.0%

4.死者数の発⽣状況
(1) ⽕災種別ごとの死者発⽣状況
死者731⼈について⽕災種別ごとにみますと、次表のとおりです。

種別⼈数構成⽐
建物⽕災56176.7%
⾞両⽕災618.3%
林野⽕災50.7%
船舶⽕災00.0%
航空機⽕災00.0%
その他⽕災10414.3%
731100.1%


(2) 建物⽤途ごとの死者発⽣状況
建物⽕災における死者561⼈について⽕災種別ごとにみますと、次表のとおりです。

⽤途別⼈数構成⽐
住宅38268.1%
共同住宅7914.1%
併⽤住宅193.4%
複合⽤途(非特定)193.4%
複合⽤途(特定)132.3%
旅館40.7%
飲⾷店30.5%
物品販売店舗10.2%
社会福祉施設10.2%
その他の⽤途の建物⽕災407.1%
561100.0%

(3) ⽕災種別ごとの負傷者発⽣状況
全負傷者2,564⼈について⽕災種別ごとにみますと、次表のとおりです。

種別⼈数構成⽐
建物⽕災2,17884.9%
林野⽕災642.5%
⾞両⽕災983.8%
船舶⽕災40.2%
航空機⽕災00.0%
その他⽕災2208.6%
2,564100.0%

(4) 建物⽤途ごとの負傷者発⽣状況
建物⽕災における負傷者2,178⼈を建物⽤途別にみますと、以下のとおりです。

⽤途別⼈数構成⽐
住宅1,10050.5%
共同住宅40518.6%
複合⽤途(特定)1255.7%
複合⽤途(非特定)1175.4%
併⽤住宅823.8%
飲⾷店291.3%
病院200.9%
旅館120.6%
物品販売店舗110.5%
社会福祉施設60.3%
遊技場20.1%
料理店10.0%
幼稚園10.0%
その他の⽤途の建物⽕災26712.3%
2,178100.0%

(5) 死者の発⽣した経過ごとの死者発⽣状況
死者731⼈について、死者の発⽣した経過別にみますと、次表のとおりです。

経過別⼈数構成⽐
逃げおくれ30241.3%
放⽕⾃殺20628.2%
着⾐着⽕506.8%
放⽕⾃殺巻き添え50.7%
出⽕後再進⼊121.6%
その他15621.4%
731100.0%

(6) 年齢層ごとの死者発⽣状況
死者731⼈について、年齢別にみますと、次表のとおりです。

年齢別⼈数構成⽐
6歳〜64歳以下35849.0%
65歳以上34647.3%
5歳以下212.9%
年齢不明60.8%
731100.0%

(7) 住宅⽕災における死者の発⽣状況
ア 住宅⽕災におけるにおける死者発⽣状況

経過別⼈数構成⽐前年⽐較増減率
逃げ遅れ24751.5%-61-19.8%
出⽕後再進⼊112.3%-3-21.4%
着⾐着⽕245.0%-2-7.7%
放⽕⾃殺(⼼中含む)7816.3%-7-8.2%
放⽕⾃殺巻き添え30.6%00.0%
その他11724.3%2425.8%
480100.0%-49-9.3%

(参考)

住宅以外建物⽕災
31278
112
1135
2098
03
18135
81561

イ 住宅⽕災における年齢別死者の発⽣状況(放⽕⾃殺等を除く)

年齢別⼈数構成⽐前年⽐較増減率
5歳以下164.0%13433.3%
6歳〜64歳以下14335.8%-11-7.1%
65歳以上24060.2%-43-15.2%
399100.0%-41-9.3%

【⽕災の概要】

区分 平成15年累計
(A)
前年累計
(B)
増減数
(A)-(B)=(C)
増減率
(C)/(B)*100
総出⽕件数(件)18,55917,2431,3167.6%
建物9,6089,555530.6%
林野1,24482242251.3%
⾞両1,7551,862-107-5.7%
船舶2724312.5%
航空機312200.0%
その他5,9224,97994318.9%
焼損棟数(棟)13,72113,0956264.8%
り災世帯数(世帯)9,2299,395-166-1.8%
建物焼損床⾯積(㎡)500,337488,96711,3702.3%
建物焼損表⾯積(㎡)49,44948,9335161.1%
林野焼損⾯積(a)94,12838,14655,982146.8%
損害額(千円)43,914,08336,113,6247,800,45921.6%
死者数合計(⼈)731858-127-14.8%
(うち放⽕⾃殺者)206281-75-26.7%
建物561588-27-4.6%
林野511-6-54.5%
⾞両61117-56-47.9%
船舶000
航空機000
その他104142-38-26.8%
負傷者数合計(⼈)2,5642,591-27-1.0%
建物2,1782,269-91-4.0%
林野64412356.1%
⾞両989444.3%
船舶422
航空機000
その他2201853518.9%

【都道府県ごとの出⽕率】

都道府県 出⽕件数 死者数 ⼈⼝ 出⽕率 死者発⽣率 都道府県 出⽕件数 死者数 ⼈⼝ 出⽕率 死者発⽣率
北海道488395,662,8563.40.69滋賀県17121,348,2415.10.15
⻘森県194171,487,4515.21.14京都府20632,563,7733.20.12
岩⼿県163101,411,1764.60.71⼤阪府990388,643,6774.60.44
宮城県389232,350,1326.60.98兵庫県827305,561,2225.90.54
秋⽥県11571,182,0253.90.59奈良県15361,441,9714.20.42
⼭形県118111,232,5783.80.89和歌⼭県17441,079,0556.50.37
福島県397222,122,6137.51.04⿃取県814615,8125.30.65
茨城県673202,993,7469.00.67島根県1308756,7706.91.06
栃⽊県44992,005,4679.00.45岡⼭県329141,957,3136.70.72
群⾺県333112,022,6666.60.54広島県499212,870,5427.00.73
埼⽟県1,072416,954,2766.20.59⼭⼝県239121,517,9546.30.79
千葉県999345,978,2876.70.57徳島県1229827,0865.91.09
東京都2,0614611,996,4606.90.38⾹川県14891,031,1855.70.87
神奈川県1,026318,546,8574.80.36愛媛県204171,502,4965.41.13
新潟県216182,463,7403.50.73⾼知県1984813,2379.70.49
富⼭県7751,120,8432.70.45福岡県635325,001,5925.10.64
⽯川県9631,176,1003.30.26佐賀県1302878,7975.90.23
福井県684826,4003.30.48⻑崎県221111,516,9205.80.73
⼭梨県21911884,1709.91.24熊本県301151,866,5536.50.80
⻑野県325102,202,7335.90.45⼤分県21071,229,6596.80.57
岐⾩県311172,109,1855.90.81宮崎県21161,179,9837.20.51
静岡県57093,769,7766.00.24⿅児島県398141,775,6369.00.79
愛知県1,166446,998,0276.70.63沖縄県10271,353,2123.00.52
三重県355141,858,1147.60.75都道府県計18,559731126,688,3645.90.58

*出⽕率︓⼈⼝1万⼈あたりの出⽕件数。
 死者発⽣率︓⼈⼝10万⼈あたりの死者数。
 ⼈ ⼝︓平成15年3⽉31⽇現在の住⺠基本台帳による。



このページの上に戻る
目次