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2014年12月

3.第1回全国自主防災組織リーダー研修会を開催

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一般財団法人 日本防火・防災協会

 平成26年11月27日(木)・28日(金)の2日間にわたり「第1回全国自主防災組織リーダー研修会」を、ルポール麹町にて開催し、全国から約90名の自主防災組織リーダーの方々に参加していただきました。
 この研修会は、昨年の臨時国会で成立された「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が定められたことを機に、その趣旨を実現すべく、今回初めて全国の自主防災組織リーダーの皆さんが一同に会し、組織運営の実態・課題について意見交換する場を設ける等の目的で開催されました。
 この研修会を開催することによって、より一層自主防災組織の防災に関する意識を高め、自発的な防災活動への参加促進や活動の活性化が図られ、自主防災組織の発展につながるものと考えています。

第1日目
秋本会長による挨拶
秋本会長による挨拶
 (一財)日本防火・防災協会 秋本 敏文会長より、開会の挨拶をいたしました。
 「お忙しい中、全国からご出席いただきまして、ありがとうございます。自主防災組織は日本の消防政策の中で重要であると位置づけしておりまして、その中で活躍をしていただいている全国の皆様にこうしてお集まりしていただくのは、今回が初めてになります。この研修会を開催するきっかけとなったのが、昨年12月に「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が成立したことでした。これは東日本大震災で多くの方々が犠牲になり、このようなことを二度と繰り返してはならない。そして震災だけではなく土砂災害等が多く発生しています。更には近い内に大きな地震があるのではないかと懸念されています。再び大きな地震災害が起きた際には消防だけでは対応しきれません。地域の皆さんの総力を結集した地域の防災体制大切だということを法律の中で明確にし、国や地方公共団体が応援する体制を整えることができました。このような流れの中で、今回の研修会を開催するに至りました。
 つい先日長野県北部で震度6の地震が起きました。100軒近くの家々が全半壊してしまいました。しかし、地域の方々消防の方々が助け合って死亡者が一人も出なかった。はやり地域の方々の力を合わせる事がいかに大事かを明確に示されたような気がします。
 今回の研修は、全国で自分たちと同じような活動している同志が集まったわけですから、大いに意見交換をして、交流の場を拡げていただければと思っております。」

『消防庁 坂本長官による挨拶』
坂本消防庁長官による挨拶
坂本消防庁長官による挨拶
 来賓挨拶では、総務省消防庁 坂本 森男長官より挨拶をいただきました。
 「自主防災組織のミッションとは何かを定義するのは、地域におかれている現状が個々に違いますので難しいことでございます。地域の中には自主防災組織を作りたくないという声も少なくはありません。しかし、自分の身を近隣の力で守る。被害を最小限にする。それには自主防災の力が不可欠です。地域の中には高齢化が進んでいる場合もあります。その中で防災危機管理といった時に一番重要なのは、災害弱者の方々の把握であるかと思います。地域によって何が減災につながるのか、これを考える為にも、自主防災組織を全国的に広めていく取組みを進めて行かなければならないと消防庁としても考えております。ご自分たちだけで自主防災組織の力を高めていくのは難しいかと思いますので、今回のような研修会を通じて相互啓発をしていただき、役立てていただけたらと思います。」

山﨑氏による講演
山﨑氏による講演
『山﨑氏による講演 「地域の防災力を高める」』
 NHK解説主幹、山﨑 登氏から「地域の防災力を高める」と題し、講演を行っていただきました。
 さまざまな災害を取材され、「昼夜を問わず起こる災害」にどのように対応すればいいのか。人的被害を最小限に食い止めるにはどうすればいいのか。住宅の耐震化や家具類の転倒・落下を防ぐには。先日起きた長野県の地震を例に挙げ、減災には地域の防災力が不可欠である。地域で取組むべき問題は、災害発生の事前の準備だけではなく、その後の対応にもあるのではないか。人と人が支えあう新しい形の地域コミュニティを作らなければならない。そして地域を知ることが防災の始まりである。自分が住む家がどのような地に建てられているのか、まず知ることが重要です。」など講演を行っていただきました。

『東日本大震災の活動報告』
岩手県山田町愛宕地区自主防災会 会長 田村 剛一氏
 東日本大震災の活動報告では、田村会長より、震災当日の状況やなぜ津波に逃げ遅れた住民がいたのか。自主防災会としての避難誘導や避難所運営について。

宮城県多賀城市 澁谷 大司氏
 多賀城市における大震災による被害状況やそのガレキ処理の問題。避難所運営や物資の管理の難しさ。災害に備え、個人や地域でそれぞれ何をすべきであったかなどについて。

田村剛一氏
田村剛一氏
澁谷大司氏
澁谷大司氏

河合氏による講演
河合氏による講演
『総務省消防庁 地域防災室 室長による講演「地域防災力の充実強化への取り組み」』
 河合 宏一室長より、地域における消防防災体制の現状や、過去に起きた震災における住民の防災活動の状況。懸念されている南海トラフ地震や首都直下地震の想定震度分布や津波高分布。そして、その対策など。また、近年多発している風水害対策等について。自主防災組織に対する期待や人材の育成について。

福井氏による講演
福井氏による講演
『総務省消防庁 予防課 国際規格対策官による講演「住宅防火対策にかかる最近の取り組み等」』
 福井 武夫氏より、過去の住宅防火の発生事例や、現在までの状況。また、住宅火災における年齢階層別死者数では、高齢者が圧倒的に多いことから、ストーブやコンロの火災対策、防炎製品やエアゾール式簡易消火具の普及対策。全国の住宅用火災警報器(住警器)設置率の状況や住警器の電池切れ確認方法等について講演いただきました。

第2日目
『活動発表』

千葉県習志野市大久保ホームタウン自治会自主防災会 会長 長谷川 清次氏
 「ITを活用した実践的な自主防災活動」と題し、立地問題や自治会の構成、活動内容。全戸に「防災マップ」として詳細情報の配布、また、災害時には円滑に情報を共有するため、防災委員間の緊急メーリングリストを整備していること等について発表していただきました。

福井県若狭町熊川区自主防災会避難誘導班長 岩本 実氏
 熊川宿町並を守ることと併行して、地域のコミュニティを活性化させることで防災にも強いまちづくりを進め、住民と行政が手を携えてイベントや、防災ワークショップ、防災まちづくり計画やマニュアルを地域に配布する活動等について発表していただきました。

長谷川清次氏
長谷川清次氏
岩本実氏
岩本実氏

『グループ討議』
 4つのグループに分かれてグループ討議を行い、各自主防災組織の活動内容や問題点など討議しました。
その後、各代表者による発表を行いました。

グループ討議の様子(1)
グループ討議の様子(1)
グループ討議の様子(2)
グループ討議の様子(2)

『研修会修了』
 閉会の挨拶では、秋本会長より今回の研修会参加のお礼と、修了証の授与を行い、2日間の研修会を終了が修了しました。

秋本会長から修了証授与
秋本会長から修了証授与
全国から約90名が参加
全国から約90名が参加

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