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2010年10月

2.住宅用火災警報器の奏功事例(平成22年3月~8月) -総務省消防庁

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総務省消防庁

 住宅火災による死者を低減し、一層の住宅防火対策の推進を図るため、平成22年3月~8月の間に消防庁に寄せられた住宅用火災警報器(住警器)の奏功事例の情報をご紹介します。

【火災に早く気付き、命を取り止めることができた主な事例】(報告18件)

  • 就寝中、自宅台所方向から火煙が寝室に流入。寝室付近に設置してある住宅用火災警報器が発報したため、火災を認知、直近の玄関から屋外に避難した。【焼損程度:全焼】(岩手県九戸郡洋野町)
  • 居住者が、くわえタバコで脱衣室に行った際、火種がバスケット内の衣類等に落下し燻焼後出火した。自室にいた際、6畳間に設置してある住警器の警報音に気付き、脱衣室に行くと衣類等が燃えているのを発見し、家族に消防への通報依頼、自らは台所から鍋に水を汲み消火したもの。【焼損程度:部分焼】(香川県丸亀市)
  • 高齢者夫婦の二人暮らし住宅で就寝中、寝室直近の廊下に設置していた住警器の警報音に妻が気付き、隣の寝室で就寝中の夫に知らせ屋外へ避難したもの。屋外へ避難後、風呂のかまど部分から炎が上がっているのを確認し、近隣住民と初期消火を試みるが、炎の勢いが強く消火困難状態であった。【焼損程度:全焼】(福島県安達郡大玉村)
  • 関係者が灯油ストーブを給油中にカートリッジタンクの蓋の締め付けが不完全で灯油が漏れ出火したもの。1階の台所に設置していた住警器が鳴り、1階寝室で寝ていた関係者の家族が火災に気付き関係者とともに初期消火を行い119番通報したもの。【焼損程度:石油ストーブ】(広島県広島市)
  • 1階居間で家族4人が夕食中、2階からピーピー鳴る音に気づいた。妻が2階に上がっていく途中で、階段上部に設置していた住警器がなっているのを確認。2階和室の戸を開けたところ石油ストーブ上方に干していた洗濯物が燃えていた。家族に火災を知らせ、水をかけたが火勢が強く消火できないため119番通報した。なお、居住者は怪我無く避難している。【焼損程度:2階46㎡の内約20㎡焼損】(青森県八戸市)
  • やかんでお湯を沸かそうとしたが、点火すべきでないコンロに火を点けたことに気付かず、お湯が沸く間を利用して洗濯物を干しに2階ベランダへ行った。しばらくして住警器の「火事です。火事です。」の鳴動に気付き、急いで台所に直行したところコンロの火が周囲に燃え広がり、室内は黒煙で充満。急いでバケツの水で消火したもの。【焼損程度:部分焼(約4㎡)】(兵庫県揖保郡太子町)

【早く気付き、火災発生または拡大に至らなかった主な事例】(報告10件)

  • 油の入った天ぷら鍋をガステーブルにかけ、火を点けたまま孫の世話していたところ、住警器が鳴ったため台所へ行くと天ぷら鍋から白煙が上がり、異臭がしていたのでガステーブルのスイッチを切った。【焼損程度:無し】(青森県弘前市)
  • 当事者Aさんが隣のBさん宅へ遊びに行った約1時間後にBさんがトイレでAさん宅の警報が鳴っているのに気付いた。二人でAさん宅に駆け付けたところ家の中が煙で充満していたため119番通報したもの。なお、ガステーブルに鍋をかけたまま遊びに出掛けたため、鍋内の内容物が焦げ、台所に設置していた住警器が作動したもの。【焼損程度:鍋の焦げ付き】(青森県八戸市)
  • 住宅には、高齢者夫婦が居住しており、妻(85歳)が台所で朝食の味噌汁が少し入った鍋をガステーブルにかけ、そばで新聞を読んでいたが妻は耳と鼻が悪いため、鍋が焦げだしたのに気付かず、住警器が鳴動して気付きガスの火を消して大事に至らなかった。【焼損程度:鍋の焦げ付き】(香川県観音寺市)
  • 居住者女性(80歳)が台所においてガスこんろでフライパンを使用し、はんぺんを調理中にその場を離れたため、フライパンのはんぺんより煙が発生し、感知器が発報したため119番通報したもの。警報音に気付いた居住者女性がガスこんろのスイッチを切った。【焼損程度:非火災】(愛知県常滑市)
  • 台所において家人(85歳女性)が麦茶を作るため、やかんに水を入れガステーブル(強火)にかけた。その後、火を消し忘れてテレビを見ながら居眠りしてしまった。時間が経過したためやかんが空焚きになり、発煙、台所の住警器が鳴動。家人が住警器の音を聞き、焦げた臭いを感じたのでガステーブルの火を消した。【焼損程度:非火災】(愛知県豊中市)

【隣人が警報音に気付き、火災発生に至らなかった事例】(報告24件)

  • 居住者が台所でプラスチック容器内の固まった蜂蜜を液状にするため、蜂蜜容器を水の張った鍋に入れ、ガステーブルの火にかけた。その後、火を消し忘れて外出。時間が経過し鍋内の蜂蜜等が炭化し発煙、台所に設置した住警器が鳴動。通りかかった近隣住民2名が警報音を聞き、建物に近づくと焦げた臭いがしたため119番通報をした。消防隊が施錠していない窓から進入しガステーブルの火を消した。【焼損程度:非火災】(愛知県豊川市)
  • 居住者が鍋をガスこんろにのせ点火、そのまま外出したため加熱された鍋から発煙し、台所に設置していた住警器が鳴動した。付近住民が警報音を聞いて駆け付け換気扇から煙が出ているのを確認し119番通報した。【焼損程度:火災に至らず】(兵庫県朝来市)
  • 台所のガスこんろの消し忘れにより鍋が焦げて煙が発生し、住警器が作動したもの。家人は不在で、上階の住人が警報音を聞いて消防へ通報したもの。【焼損程度:なし】(広島県福山市)
  • 家主がガスこんろに鍋をかけたまま外出したため、鍋の中が焦げ、煙が発生し住警器が発報。上階の住民が警報音に気付き、ベランダに回ったところ窓が開いていたため屋内に入り、ガスの元栓を閉め大事に至らなかった。【焼損程度:非火災】(佐賀県鳥栖市)
  • 自宅でテレビを見ていたところ、外から住警器の警報音が聞こえた。外に出てみると、隣家の台所から白煙が出ているのを発見した。居住者は留守であったため、119番通報するとともに、施錠されていなかった勝手口より台所に入り、ガスこんろの火を止めた。(山形県山形市)

総務省消防庁「住宅防火情報 第8号(H22.9)」より

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