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2009年10月

1.平成22年度消防庁重点政策を発表 ―総務省消防庁

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第1 消防防災行政の方向性

 社会経済情勢の変化とこれに伴う地域社会の変化による災害の態様の複雑多様化など、消防防災行政を取り巻く状況は、大きく変化しており、迅速な対応が求められている。このような状況の中、国民の安心と安全を向上させていくためには、総合的な消防防災行政を積極的に推進していく必要がある。
 第一に、平常時のみならず大規模災害等の発生時にも住民の安全を確保するためには、地域に密着した消防団や自主防災組織、企業などの役割が重要であり、地域における総合的な防災力の強化が求められている。
 第二に、災害の態様の複雑多様化や武力攻撃事態等に備え、消防機関の対応力や活動能力を含む体制整備が求められている。
 第三に、改正消防法に基づく消防と医療の連携推進のための施策の着実な進展を図るとともに、傷病者の救命率を向上させるため、救急救命体制の一層の充実が求められている。
 第四に、身近な生活における安心・安全の確保のため、消費者庁の創設等を踏まえた生活者・消費者の視点でのきめ細かな対応が求められている。

第2 重点的に推進すべき事項

(1)地域における総合的な防災力の強化

○消防団等の充実強化
 地域における自助・共助の向上による総合的な防災力の強化を図るため、地域防災の中核的役割を担う消防団・自主防災組織を充実強化する。
○防災人づくりの充実
 地域における防災の多様な担い手の参加を促し防災力をなお一層強化するため、児童、生徒をはじめ、地域の様々な住民を対象とした防災人づくりを充実させる。
○防災拠点となる公共施設等の耐震化
 地域における防災基盤を強化するため、防災拠点となる公共施設等の耐震化をなお一層促進する。
○企業の地域防災分野における活動の促進
 地域における総合的な防災力を一層向上させるため、企業の地域防災分野におけるさらなる活動の促進を図る。

(2)消防防災体制の充実

○消防の広域化をはじめとする消防機関の災害対応力の強化
 複雑多様化する各種災害に適切に対処し国民の安心・安全を確保するため、消防の広域化をはじめとする消防機関の災害対応力のさらなる強化を図る。
○緊急消防援助隊の充実強化
 大規模災害発生時に地域を越えて的確かつ迅速に対応するため、緊急消防援助隊の充実強化を図る。
○大規模地震災害における救助活動能力の向上
 都市型災害に備えるため、救助隊員の大規模地震災害における救助活動能力の向上を図る。
○全国瞬時警報システム(J-ALERT)の円滑な運用の実現
 有事や自然災害発生等に関する情報を住民に瞬時に伝達するため、全国瞬時警報システム(J-ALERT)の全市区町村での円滑な運用を実現する。

(3)救急救命体制の充実

○消防と医療の連携推進
 円滑な救急搬送・受入体制を構築するため、引き続き消防と医療の連携を推進する。
○救急業務の高度化の推進
 救急搬送における救命率を向上させるため、救急救命士を含む救急隊員が行う救急業務の高度化を図る。
○一般市民による応急手当の実施促進
 救急現場における救命率を向上させるため、一般市民による応急手当の実施等をなお一層促進する。
○新型インフルエンザの感染拡大等に備えた対策の強化
 新型インフルエンザの発生、感染拡大時における国民の安心、安全を保障するため、消防機関における新型インフルエンザ対策を強化する。

(4)身近な生活における安心・安全の確保

○ユニバーサル・デザインの観点等を踏まえた防火対策の推進
 高齢者や障害者等の防火安全を確保するため、ユニバーサル・デザインの観点等を踏まえた防火対策を推進する。
○住宅用火災警報器の設置促進
 全国における住宅用火災警報器の既存住宅への設置義務化に備えるため、設置促進のための取組を強化し、過去最悪であった住宅火災死者数(平成17年1,220人)を早期に半減させることを目指す。
○防火対象物の大規模・複合化を踏まえた防火安全対策の構築
 近年、急速に進展する建築物の大規模化・複合化等の高度利用を踏まえ、合理的・効果的な防火安全対策の構築を目指す。
○身近な事故情報の収集・分析
 市民の身近な安全に影響を与える恐れのある製品事故等を未然に防止するため、事故情報を収集し早期に分析・把握する。

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