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2008年3月

5.各地で婦人防火研修会開催(青森県十和田地区、千葉県、岩手県)

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十和田地区幼少年婦人防火委員会

 十和田地区幼少年婦人防火委員会は、1月18日(金)午前10時から富士屋グランドホールにて日本防火協会が共催となり、十和田地区婦人防火クラブリーダー研修会を開催しました。
 当日は消防・防災関係者192名が参加し、挨拶終了後、防火思想と普及活動に尽力されたクラブ及び指導者の表彰を行い、優良幼年消防クラブ3団体、優良婦人防火クラブ4団体、婦人防火クラブ優良指導者8名が表彰されました。次に住宅火災による死傷者の減少を目標として、平成15年度から実施している住宅用火災警報器配布を、今年度は十和田地区婦人防火クラブ連絡協議会の3支部に28個配布、実際にモニターとして試用してもらい普及活動の手助けにしていただいております。また防炎製品を含めた住宅用防災機器等の展示も行い、クラブ員へ周知しました。近年、報道されている地震にも対応するよう、地震等の災害時における協力体制及びボランティアについての報告をしました。
 最後に、青森県立中央病院臨床検査部技師長 中村 敏彦氏を講師に「私たちのまわりにいる細菌について」と題して講演して頂きました。
 研修会に参加した皆さんから、「初めて参加しましたが、住宅用火災警報器を早く設置しなければならないと思いました」とか、「地震等の災害時による話でも、自分たちの地域では考えられない状況が起こることを知り、ボランティア活動の必要性を感じました」とか、「ほかの婦人防火クラブの方と交流ができ、情報交換ができて良かった」などの声があり、研修会は無事終了しました。


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千葉県婦人防火クラブ連絡協議会
会長 竹内 久子

 去る、1月29日、千葉県消防学校講堂に県下各地から防火クラブ員など消防防災関係者多数のご参集をいただき、平成19年度千葉県婦人防火研修会が開催されました。主催は、千葉県少年婦人防火委員会(石井利孝会長)と千葉県婦人防火クラブ連絡協議会(竹内久子会長)、共催として、財団法人日本防火協会(片山虎之助会長)のご協力により行われました。
 主催者挨拶に続き、午前中は私から「住宅用火災警報器と防炎製品の普及促進について」と題して講義を致しました。引き続き、午後は、災害文化研究家として名高い山下亨先生を講師としてお招きし、「トイレって大事!大地震の教訓」と題してご講演頂きました。山下先生は、トイレ(排泄)問題を取り上げ、災害に際してどのようなトイレ問題に遭遇したか、数々の過去の災害を通して残された教訓を踏まえ、発災時にトイレ(排泄)はどうすればよいかという問題などについて映像を通し分かりやすく、しかもユーモアたっぷりにお話いただきました。
 住宅用火災警報器と防炎製品の普及促進について私の講義を要約しますと、まず、昨年11月5日に神戸で発生した住宅火災の事例を取り上げました。新聞やテレビで全国に報道されたこの火災により母子4人の尊い命が奪われました。この火災は1階から出火し、焼失面積はわずか10平方メートルであったのですが、3階にいた母子4人が煙にまかれて一酸化炭素中毒により、消防職員による救出の甲斐もなく死亡するという結果になってしまいました。
 この報道に接し、住宅用火災警報器が設置されていたならば、4人は避難でき、命を失うことにならなかったのではないかと悔やまれてなりません。
 新築住宅に火災警報器の設置義務が課されたのは、一昨年6月施行の改正消防法ですが、これを受けて各市町村において条例により既存の住宅にもこれを設置することが義務化されました。
 また、住宅用火災警報器の婦人防火クラブ共同購入のメリットとして、①市販価格より割安で購入ができること。②簡単に取り付け可能ですが、高齢者や障害者などの住宅に取り付ける希望があれば自治会役員、婦防クラブ役員などが取り付けることができること(地域差はありますが)。③悪徳業者からの被害にあわずにすむこと。の3点を説明しました。
 新しい情報(読売新聞2008.1.26)として、「2006年までの10年間の都内の住宅火災で死亡した人のうち、半数は出火に気づくのが遅れたことが原因であった(東京消防庁調査)。火災警報器がある住宅と未設置の住宅では、出火から119番通報までの時間に1分2秒の差があることが判明し、同庁では、『火災警報器があれば、火災による死亡者数を3分の1に減らせる』としている」ことからも、今後の普及促進がとても大切です。
 続いて、「防炎製品の普及と対策について」は、前年度の婦人防火研修会で『防炎製品と非防炎製品との燃焼比較実験』を行いました(防炎ニュース№.170・2007年4月参照)が、今回は防炎製品の奏効事例に触れながら、防炎製品普及のために防炎製品の展示やリーフレットの配布など、市民への啓蒙活動いかに大事なことであるかについてお話しました。
 午後からの山下先生のご講演は、大切な災害時にややもすると見落としがちであると同時に、災害対策においてこれまであまり議論がなかったとも言えるトイレ(排泄)問題であるだけに、参加者は真剣な眼差しで講師の説明に耳を傾けていました。
 参加者の皆さんの印象に残ったことは、①大災害の際のパニック(未経験によるさまざまな混乱が生じる。細かな観察と的確な対応が求められる)②トイレ(排泄)難民(大震災が都心を襲った場合は、帰宅のためターミナルビルに10万人が押し寄せる)③簡易トイレ(家庭などではダンボールとゴミ袋さえあれば簡易トイレが作れる)④日本の災害文化の遅れ⑤被災地のトイレの危険性(防犯への目配りの必要性)⑥ペット対策(ペットは避難所などで癒しになる)⑦避難所の生活環境の整備(避難所での広報は外国人にも分かりやすくするなど)⑧トイレカーの活用⑨災害弱者の優先救済(オスメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)など障害者、高齢者への配慮)⑩避難所で給食問題(レタスなどの野菜の供給に配慮すべきである)⑪水(飲用と下水用)の確保問題⑫関東大震災では死体処理が大問題であったこと⑬救援物資の問題(救援物資の扱い方や必要な器具の選択)などです。
 そのほか、私が特に印象に残ったのは、障害者のうちオスメイト(全国に20~30万人)の方々は外観からは分からないが、発災時には健常被災者に先駆けていち早い配慮と専用トイレの完備が必要なことです。また、エコノミークラス症候群対策などでした。
 結論として、山下先生は全体の生活の中でトイレ問題を考えることが重要であり、トイレを通して現代の日本の文化を見直すことも必要である。防災は災害弱者の救済が基本であることを強調されました。また、(地方団体が作成している)地域防災計画にはトイレ問題を取り上げるべきである。さらに、基本的には防災とは何か?防災教育とは何か、ということがポイントである。防災の原点は『救援』、つまり、人(とくに、災害弱者)を救う教育が大切である。文部科学省の防災教育の見直しも喫緊の課題であると結ばれました。
 山下先生のご講演は人間愛に満ち溢れたものでありました。トイレ問題は災害対策の上で、水の確保と並んで、否、それ以上に真剣に考えなければならない人権にかかわる重要課題であると思います。
 ご講演が終わると会場が割れんばかりの拍手が起こり、平成19年度千葉県婦人防火研修会は盛会裡に終了しました。
 この研修会開催にあたりご協力いただきました財団法人日本防火協会をはじめ関係団体の皆さまとご参加いただきました皆様に心より感謝いたします。


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鎌ヶ谷市鎌ヶ谷橋婦人防火クラブ
若槻 恵子

 はじめに、千葉県婦人防火クラブ連絡協議会 会長 竹内 久子氏より住宅用火災警報器と防炎製品についての講義、解説がありました。
 配布された資料と丁寧で分かりやすい竹内会長のお話により火災警報器設置の必要性、その大切さ、更に安心・安全について再認識しました。住宅用火災警報器の設置義務については、新聞やテレビで報道されてから久しいのですが、実際どのようなルートで購入し設置すべきか分からない人もたくさんいると聞きます。消防、行政、婦人防火、地域、自治会が連携して必要性を大いにPRすることも重要であると思います。
 お蔭さまで、私たちの自治会ではいち早く婦人防火クラブで共同購入を実施し、まとめて購入することができました。高齢者や障害者の方への福祉サービスもでき、喜んでもらえたこともとても意義あることでした。
 また、防炎製品については昨年の研修会のときに、防炎製品と非防炎製品の燃焼比較実験(パジャマ、割烹着など)があり、防炎製品の偉大な効果に感心しました。今回は防炎製品の展示とリーフレットの配布、普及についての説明があり、毎日の生活の中で常に火災の危険をチェックし、防災対策をいつも頭と心の中におくことがより大切であることを痛感しました。「消さないで あなたの心の注意の火」は我が家のスローガンとして掲げています。
 講演では、災害文化研究会の山下亨氏から「トイレって大事!大震災の教訓」と題してプロジェクターを使って、「災害発生時のトイレ権をどのように保障するか」などを課題とし、トイレ問題の大切さをお話頂きました。トイレの問題はとても身近で大切なことなのに、私たちはまだまだ不勉強、未知な面がたくさんあることを感じ、山下氏のガイドブックを熟読し、少しでも知識を広げていきたいと思います。
 今回の研修会では「私たちの命、財産を守るには?」という課題について、ひとり一人が常に真剣に取り組んでいかねばならないと思いました。この研修会に参加したことは、私にとって大きな収穫そして財産となりました。


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岩手県幼少年婦人防火委員会

 恒例による婦人消防等指導者研修会が、去る2月4日(月)・5日(火)の両日、岩手県花巻市湯本地内の花巻温泉「ホテル千秋閣」大ホールに於いて実施しました。
 研修会は、岩手県幼少年婦人防火委員会、岩手県消防協会、並びに岩手県婦人消防連絡協議会の主催で行われ、(財)日本防火協会と岩手県幼少年婦人防火委員会との共催の下に、各市町村の婦人防火クラブ・婦人消防協力隊並びに各消防本部の予防・保安担当職員等200名が出席して開催されたものです。
 岩手県幼少年婦人防火委員会委員(岩手県消防協会副会長) 大森 忠雄氏が開会宣言した後、主催者挨拶として岩手県幼少年婦人防火委員会長(岩手県消防協会長) 西村 紀昭氏が「2日間にわたる研修会に、県内各地からお集まり頂き有り難うございます。盛り沢山の内容で実施致しますが、明日からの活動の糧にして戴ければ幸いに存じます。」と挨拶しました。
 次に、岩手県婦人消防連絡協議会千葉 とき子会長は「新年明けましておめでとうございます。先ほどの表彰式で受章された方々に改めてお祝い申し上げます。日頃から自分の家から地域から火災を出さないとの強い信念からご活躍を戴いており心から感謝申し上げます。近い将来大地震が来ると予測されている一方で、相変わらず住宅火災による焼死者が増加の一途にあります。私達は、この現状を踏まえて、更に住宅用火災警報器の設置普及に取組んで参りたいと存じますので、皆様方のご協力を切にお願い申し上げます」と挨拶しました。
 その後、来賓として出席された日本防火協会 振興部主幹 佐藤幸男氏が「日本一広い岩手県内各地からご出席戴いており敬意を表します。平素より地域の安全・安心のために、住宅用火災警報器の普及推進に積極的にお取り組み戴いておりますことに対し、御礼申し上げますと共に本研修会のご盛会をご祈念申し上げます」と挨拶しました。
 早速講話に入り、岩手県防災消防担当課長 阿部 一哉氏が「皆様方におかれては、日頃から防火防災にご尽力を賜り心よりお礼申し上げます。本研修会では随所に住宅用火災警報器の設置普及等が取り入れられており、中身の濃い研修会と思います。集中的に取組むことが強化に繋がるものと存じます。夫々の地域においても取組んで戴きたいものと思います。今後とも宜しくお願い申し上げます」と挨拶された後、「岩手県における消防防災行政について」と題しての講話をしました。
 続いての講演では、「メタボリックシンドロームの理解と予防」と題して岩手県栄養士会 会長 平澤 郁子氏が、メタボリックシンドロームに該当する人もしない人も、日常の食事と運動で生活習慣病の予防と改善をしましょう」と、時にユーモアを交え、時に運動を交えて基調講演をされました。
 休憩後の活動事例発表では、最初に胆沢地区消防組合消防本部 予防係主任 井上 達也氏が、「幼年消防クラブの活動」と題して管内のクラブの活動状況を映像を使いながら発表しました。
 奥州市江刺区婦人消防協力隊連合会会長の明神 キヨ子氏が、昨年10月に開催された「第18回全国女性消防操法大会に出場して」と題して、出場に至った経緯から、出場までの経過について事細やかに発表しました。
 研修初日の最後は、「住宅用火災警報器」の設置促進について、千葉 とき子岩手県婦人消防連絡協議会長が座長となり、活発な意見交換がなされました。
研修会2日目の最初は、初日に続く活動事例発表が行われ、遠野市消防本部 遠野消防署 予防係長 昆 方明氏が「遠野市幼少年消防クラブの活動状況について」と題して、管内クラブの年間活動状況を発表しました。
 続く講義では、一関市消防本部 消防長 佐藤 志行氏が「住宅防火対策と自主防災組織について」と題して、住宅防火対策の沿革を基本に、予め配布した詳細な資料と映像による、データを示しながらの講義でした。
 最後には緊張を解すための健康講座です。レクリエーションインストラクターでもある千葉 とき子岩婦連協会長のリードで、健康づくり運動が行われました。その後「防火三百六十五歩のマーチ」を元気よく合唱、岩手県消防協会副会長 千葉 崇氏の閉会の言葉をもって解散となり、研修会の全日程が終了しました。


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