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2008年2月

4.自主防災組織リーダー研修会(愛知県)

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愛知県防災局防災危機管理課

 愛知県では、「平成19年度愛知県自主防災組織リーダー研修」を岡崎市美合町の愛知県青年の家にて1月26日(土)、27日(日)の2日間開催致しました。
 この研修は自主防災組織の指導的な立場にある者等を対象に、大地震発生時の重要な課題でもある避難所運営を通じて、地域防災の核である自主防災組織の活性化を図ると共に、研修後も自主的な活動を行えることを目的に、財団法人日本防火協会と愛知県の共催で開催、40名が参加しました。
 始めに、開講式では財団法人日本防火協会 梅次盛雄事務局長と愛知県防災局辻藤和美防災危機管理課長より挨拶を頂きました。
 初日の午前中、独立行政法人防災科学技術研究所研究員から、昨年発生した新潟県中越沖地震及び能登半島地震の避難所の実態について、現地調査結果などをお話頂きました。研究員から「避難所の運営においては、近隣から食事だけを取りに来る人がいるので、避難所で寝泊りしている人の数と必要な食事数は異なることに注意しなければならない」などと実例を挙げ、被災地の実態を紹介頂くと、参加者は真剣に聞き入り質問も出されました。また県の地震被害想定から、地域ごとにどのような災害リスクがあるのかをグラフ等を用い具体的に示して頂き、「自分の住んでいる地域の特性によく気を配らなければなりません」とアドバイスを受けました。
 午後からは、被災地で活動したNPO愛知ネットの職員の方などをコーディネーターとして4グループに分かれ、避難所運営のシュミレーションを行いました。地震が起きた時からの流れをタイムライン型シナリオで捉え、同時に避難所運営マニュアルを軸に、避難所が災害時どのような位置づけにあるのか、自分たちはどのような役割を果たすべきなのかを考えました。
 参加者は避難所に収容された人たちの名簿作りなど、避難所運営に関する課題を含んだ約30場面を講師から示されると、町内会役員、避難者、避難所施設管理者、行政職員などの役割に成りきって、その場面での対応策を検討しました。自分たちの現実の役割ではない避難所施設管理者や行政職員の役を行うことで、参加者は改めて自主防災組織の役員等として、何をすべきなのか、そのために事前に何をしておくべきなのかを認識されておりました。
 午後1時~7時までの6時間にも及ぶ長時間のグループワークでありましたが、熱心な議論を重ねて頂き、参加者からは「今まで考えてもいなかった事、予想外のことが避難所開設から撤収まであり、大変有意義な研修でした」などの感想を頂きました。
 夕食後は、グループ以外の方々との交流を深めて頂くため、交流会を開きました。参加者同士、自分たちの地域の活動状況を話し合うなど、活発な交流を図られておりました。
 2日目は、グループで作成した避難所運営シナリオをグループごとに発表しました。発表することでグループ相互で気づきの共有を行い、独立行政法人防災科学技術研究所の研究員の方からは「団塊の世代の皆さんの問題解決能力は素晴らしい。是非次世代へ伝えて欲しい」との講評を頂きました。
 最後に閉講式では、財団法人日本防火協会 水村昇課長補佐から代表者に修了証の授与及び記念品の贈呈、閉講の挨拶を頂いた後、参加者全員で記念写真を撮影、2日間にわたる研修を終了しました。
 今回の研修に参加して頂いた方々には、是非、研修で得た意識・知識・認識をそれぞれの自主的な防災活動に生かして頂き、地域防災力の向上に取り組んでいくことを期待しております。


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