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4-1 婦人防災クラブとしての一般的活動内容




事例紹介 市民祭りの模擬店で活動費を捻出(東京都・稲城市婦人防火クラブ)


市民祭りは活動費を得る好機

東京都の稲城市婦人防火クラブの活動に関する予算(活動費)は、防災関係団体などからの助成金とその他の収入金からなっています。満足なクラブ活動を展開するためには助成金だけでは不十分です。そこで、同クラブは、毎年市内で開催される市民祭りに参加して防火啓発の普及に努めるとともに、クラブとして飲食物を販売する模擬店を出し、そこで得た収益金を活動費にあてています。市民祭りへの参加は活動費を得る絶好の機会となっており、より多くの収益を上げるためクラブ員一丸となって取り組んでいます。


コスト抑制に知恵絞る

クラブ員がまず考えることは、材料費の抑制です。こうしたイベントで一番よく売れるのは焼きそばです。必然的に焼きそばの食材の購入数が多くなるため、多くの収益を上げるにはここでコストを抑制する必要があります。クラブ員もさまざまな知恵を絞ります。スーパーのチラシなどで特売を地道にチェックするのはもちろん、例えば天候などによって価格が左右されるキャベツが高価なときには、地方出身のクラブ員のつてを頼りに、わざわざ産地まで出向いて直接農家から購入することもあります。

また、同様に売れ筋であるジュース類は、市場にあるたくさんの商店の中から一番安い店を探し出し、特売日を利用して安売り品を購入しています。ジュースを冷やす氷も、婦人防火クラブの趣旨に賛同する市内の水産物店に依頼して無料で譲り受けています。ジュース類の売れ行きは当日の天候に影響され、雨天の時にはあまり売れません。売れ残りが出ると収益が減るため、事前の天気予報には十分注意して仕入れ量にも気を使っているということです。

このほかにもコスト抑制のためにさまざまな工夫をしています。焼きそばなどの販売には多くの機材や燃料が必要になりますが、ガスコンロや鉄板、包丁、まな板、ザル、鍋などの備品は、婦人防火クラブで少しずつそろえてあるため、最近は購入しなくてもすんでいます。また、消防署や市役所の備品で借りられるものは借り、消耗品なども防災訓練などで使って残ったものを使わせてもらって、極力購入物品を減らしています。


豊富なアイデアで活動広がる

同クラブは平成14年の市民祭りから新たに弁当販売を始めました。この弁当づくりでも、米やお新香、おかずの材料はクラブ員たちが持ちよったものでした。いなりずしを作るのに必要な油揚げは、食堂で働くクラブ員が安価で購入し、調味料なども御歳暮などのものを利用する努力をしています。

この弁当づくりがきっかけとなり、クラブの地方出身者同士が互いに地方独特の旬の野菜を使った漬物づくりの方法を教え合いました。将来は、クラブで野菜を仕入れ、漬物として売り出そうかという案が出ているそうです。このように、稲城市婦人防火クラブでは、クラブ員がさまざまに工夫を凝らし、かつ楽しみながら活動費を捻出しています。

出店材料準備品チェックリスト