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3-4 活動目標の設定と活動計画の策定



自分たちの婦人防火クラブの活動目標をどのように設定するかは、婦人防火クラブそのものの意義に直結する問題です。

すでに、述べたことですが、婦人防火クラブの活動は、家庭防火のための火災予防啓発活動とともに、地域の被害を防止・軽減するための自主防災活動の核としての役割が重要です。

活動目標の設定にあたっては、1.専門家のアドバイスなども受けながら火災のみならずいろいろな災害の性格をよく学んで理解し、2.地域の現況を実地に巡視・点検して把握し、3.防火や防災の知識などを深めていく中で、徐々に行い内容を深めていくことが大切です。したがって、一気にかっちりとした活動目標を決めてから、実際の日常活動計画、訓練計画を立てていくというよりは、暫定的な活動目標を立て、それに沿って活動自体を進めながら、徐々に活動目標の修正をしつつ日常活動、訓練計画のレベルを上げていくという姿勢のほうが、現実的です。

ところで、活動目標の設定だけでは、抽象的な努力目標に終わってしまい、中心リーダーの交代などがあると、いつの間にか忘れられてしまいます。それを避けるためには、活動目標を実現するためのおよその中・長期計画を立て、活動が連続性をもてるようにする必要があります。活動が比較的活発な組織において最も難しいことは、一定の活動水準を持続することだといわれています。

防火・防災活動(とりわけ、地域の防火・防災環境を改善していくまちづくりなど)では、一朝一夕に地域住民の関心を高め訓練レベルを向上させるのは至難の業です。また、いったん活動レベルを上げても、継続していないとすぐに活動が停滞し住民の関心も薄れてしまうというジレンマがあります。したがって、活動を継続させて目標をじっくりと達成していくためにも、ぜひおよその中・長期計画を立ててみてください。

さて、およその中・長期計画を立てたうえで、この1年の年間の事業・活動計画を立てていきます。

事業・活動計画の策定にあたっては、以下のような点に留意しましょう。

1
各部門別に検討会を行うなど、できるだけ多くのメンバーの意見を出してもらったうえで検討を行うようにします。各部門別の検討を行うことで、活動の漏れをチェックすることが出来ます。
2
左記で出てきたものを、相互の関連などを考慮してテーマ別に整理し、項目別に優先順位をつけていきます。その際、緊急性、重要性、実現可能性などの基準を立てて、それぞれに検討していくと討議や合意が進みやすいでしょう。
3
以上のように整理されたものを、自分たちの婦人防火クラブの現況をにらみながら、時間的制約、予算、活動主体などの要素を加味して、活動計画を作成していきます。
4
年間活動計画に特徴をもたせるために、年度ごとの重点項目(目玉事業)を決めるのもよいでしょう。