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3-1 情報連絡訓練の意義



災害時、自分たちのおかれている状況がわからない住民は、不安感の中で被害や避難生活に関する様々な情報を求めます。土砂崩れなど、まだ危険度を認識していない住民に対する情報連絡もあります。一方で外部に対して、地域の被災状況やニーズを的確に伝え、支援をあおぐ必要が出てきます。そして、適切な情報の収集・連絡が行われないと、速やかな避難行動や、外部からの支援を求めることができなくなってしまいます。

阪神・淡路大震災においても、自治会等がしっかりしていて行政との連絡が密だったところでは、食べ物や救援物資等の入手・配布など、地域での救援活動の立ち上がりがスムーズであったといわれています。また、マスコミなどに取り上げられた避難所には多くの救援物資が届き、一方で小さな集会所や公園などで自然発生的にできた避難所については、発災当初は行政もその実態をつかむことができず、食料・物資などがうまく行き渡らなかった現実があります。

そこで、被災状況、津波や土砂崩れなどの予報・警報、ライフライン(電気・ガス・水道・電話など)の復旧の見通し、避難の勧告・指示、救援活動の状況、救援物資の配給、衛生上の注意などといった<災害情報>を、自主防災組織などと連携した婦人防火クラブのメンバーが、うまく収集・連絡できるようにしておくことが重要となります。

また、災害の状況・時間の経過によって、収集すべき情報・伝えるべき情報の種類はどんどんと変化していきます。たとえば、災害直後は被害や緊急救助・救援、安否確認に関する情報が大半を占めると考えられますが、時間がたつにつれ、医療、福祉、生活再建などの多様な生活情報が求められてきます。状況の変化に対して、柔軟な姿勢で情報を扱うようにしましょう。


1 2種類の災害情報

災害時の情報は、大きく2つの異なる情報源、内容のものに分けられます。これらの収集・連絡は、主に、地域の災害対策本部や連絡拠点となる避難所などを中継地点として行われることになるでしょう。

婦人防火クラブのリーダーは、災害時に地域(自主防災会など)と避難所・行政の間の災害情報システムについて確認したうえで、いざというときどのように災害情報の収集・連絡に取り組むことが有効なのか、それぞれの地域で話し合ってみましょう。たとえば、女性ならではのネットワークを生かして、災害時要援護者の方への情報収集・連絡に特化する、という活動の方法もあるでしょう。

1 自治体など防災機関からの情報
行政、防災機関、マスメディア等から発信された情報です。これらを入手し、地域住民に必要な情報を選んで、適切な時期に正確に住民に伝達することが求められます。
2 地域の被害・支援ニーズについての情報
地域内の被害情報や、生活ニーズ等の情報です。被害発生状況をいち早く行政や消防機関に伝えて救援を依頼したり、住民のニーズをまとめて代弁し、対応を要請したりします。